004_るろ剣とかこち亀

そういえば、るろうに剣心の新しいやつが始まった。大好きな漫画だった。前作が終わったのは小学生の頃、もう十八年も前か。こち亀が終わった。もう一年経つ。

中学時代、特に大きな理由もなく、なんとなく部活動に行かなくなった。コンビニでおまけ付きのペプシ・コーラとポテチを買い込み、週刊少年ジャンプを読んで暇な放課後を過ごすようになった。まるで薔薇色。

こち亀はずっとやっているなぁ、どんな風に終わるんだろうなぁと考えていた。でも終わるわけないよなぁと思って考えるのをやめた。ワンピースは面白いなぁ、どんな風に終わるんだろうなぁと考えていた。でもまだ終わるわけないよなぁと思って考えるのをやめた。少しは勉強や運動をした方がいい。

そういう中学時代は退部届すら出さないままあっさり終わり、高校に入って、終わるはずがないと思っていた夏休みが三度も終わった。なんの想像もつかないまま10代は終わり、成人式を終え、通常の半分ほどで大学生活を終え、仕事を始めた。真夜中、これ終わらないだろうと思った案件は終わっていって、グラフィックデザイナーの仕事を終え、20代も終盤に差し掛かっている。そうやって過ごしているうちにこち亀も終わった。

毎日、たくさんのことが終わっていく。煙草を一本吸い終えて、コップの水を飲み終えて、労働を終えて、アルバムを何枚か聴き終えて、本を読み終えて、眠る。振り返れば凄まじいスピードで日々が終わっていく。このままいくと、ずっと先だと思っていた東京オリンピックもあっという間に終わる。ワンピースもそのうち終わるし、ハンターハンターもそのうち。終わってくれ頼む、ゴン。始まったばかりの剣心の新しいやつもそのうち終わる。

ぼんやりと予感はあったけれど、どうやらいつか、本当に終わりが来るらしい、いろいろなものに、完膚無きまでに。

今日も一日が終わっていく。すっかり秋めいてきた。いつかやってくる終わりに、できる限り、まさか、みたいな顔はしたくない。

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です